おもりのほかに分銅や秤も校正が必要

おもりは秤によってものの質量を図る際に基準となるため、国で定めた標準とのつながりが明確であるという正確性が求められるものです。そうしたおもりが国家標準に適合することを証明するためにJCSSという計量標準供給制度に基づき、国によって定められた校正機関に持ち込んで校正を行い、その証明をしてもらう必要があります。この校正は計量に用いる様々な機器に対して行う必要があるため、おもりだけでなく分銅や秤などに対しても必要になってきます。校正を行った機器を使用することで、様々な分野でのデータの正確性を担保することになるため、重要な工程になります。なお。おもりと分銅の違いは、分銅がJISなどの規格によって形状、寸法や公称値、最大許容誤差などが定められたものなのに対し、その規定に外れたものがおもりと呼ばれます。

おもりの校正を行っている機関とは

おもりや分銅、秤などの校正を行っているのは、JCSSに基づき国から認定を受けた校正機関で、認定業者と呼ばれることもあります。校正の方法としては、被校正品と標準器との質量差を測定することで、その結果から協定質量を割り出すという方法です。測定によって割り出された拡張不確かさという数値を基に、分銅やおもり、秤などに校正ランクを付け、それを証明するのが校正機関の役割です。校正を受けた計量機器にはJCSSロゴマーク付の校正証明書が発行され、最も誤差の少ないランク2のものには特性評価が付けられます。また、トレーサビリティ体系図や特性試験成績書、校正履歴書などが添付され、その計量器の正確性を表す基準として参考にすることで、国際基準にも適合する計量器を選ぶことができ、軽量の正確性の証明にもなります。

おもりの校正にはどれくらいの費用がかかるのか

おもりの校正にかかる費用は校正を行う機関によっても異なります。これは基本的にJCSSも基づいて国から認可を受けて校正を代行しているのは、それぞれに独立した事業所であるためです。また、事業所によってJCSSの基準値内で拡張不確かさなどの数値も異なるため、より精密な校正を行っているところや、独自の技術に基づいて正確性を実現しているところは料金も高くなりがちな傾向になります。大方の相場としては、Mクラス(ランク3)で20kg以下のものであれば5000円から1万円ほどになり、それ以上は重量が重くなるにつれて料金が加算されていくような仕組みです。また、より正確であることを証明する高ランクの校正の際は、ランク2だとその倍程度、最も高い正確性を表すランク1だと4倍程度の料金が相場となっています。